【CRWD】FY22第1Q(2021年6月)決算発表 クラウドストライク(CrowdStrike)

決算まとめ

クラウドストライク(CrowdStrike)とは?

 クラウドストライク(CrowdStrike)はセキュリティクラウドプラットフォーム「Falcon」を運営する企業です。2019年にIPO(新規上場)をしたグロース株であり、高い成長率を誇ります。近年、デジタル・セキュリティの変革やクラウドの導入、ランサムウェアの流入などによりセキュリティ需要が高まっています。そこで、クラウドストライクは「We stop breaches(侵入を阻止する)」という信念を掲げ、19個もあるモジュールを提供することでこれらの脅威から守る術を提供しています。また、ScalyrやHumioなどの企業を買収し、どんどん事業を広げていっています。

 クラウドストライクは買収やモジュールの追加によりアドレス可能な市場をどんどん大きくしており、現在の潜在的な市場規模は$36.5Bであり、その市場は年9%の成長を続け、2023年には$43.6Bに膨れ上がると予測しています。また、クラウド事業そのものの市場規模成長に対し、クラウドセキュリティ事業への投資が不足していることを指摘し、予測以上の成長をするだろうと考えています。

 IPO時の2019年では$25Bだった市場規模が2025年には$106Bにまで成長し得るとのことです。今後成長していく市場であることも含め、クラウドストライクはもっと成長していくと予想されます。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●FY22第Q1

 売上高 $302.8M(予想$291.4M)前年同期比+70%

 EPS 0.10$(予想0.06$)

・ARR 1.19B

・サブスク顧客数 11420(前期比+1524)

 ※Humioの119の顧客増加含む

●FY22第Q2ガイダンス

 売上高 $318.3~324.4M(予想$310.2M)

 EPS  $0.07~0.09(予想0.06$)

●FY22通期ガイダンス

 売上高 $1.347~1.366B(予想$1.32B)

 EPS  $0.35~0.41(予想0.3$)

 売上高は予想$291.4Mに対し$302.8M(前年同期比+70%)、EPSは予想0.06$に対し0.10$と売上高、EPS共にコンセンサス予想を上回りました。また、ARR(年間経常収益)は1.19B(前期比+13.7%)、サブスクリプション顧客数は11420(前期比+1524)と成長しました。

 FY22第2Q、通期のガイダンスは上記の通りであり、いずれもコンセンサス予想を上回りました。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

 上の2つのグラフは「サブスクリプション顧客数の推移」になります。FY22Q1終了時点でのサブスクリプション顧客数は前期から1524増加し11420となりました(Humioの顧客数119を含む)。顧客増加数の推移を見るとFY21(2020年)からどんどん加速していることが分かります。また、顧客の内訳を見るとフォーチュン100(世界の総収入ランキングTOP100)から61企業、フォーチュン500のうち214企業、銀行TOP20のうち13企業がクラウドストライクを利用しています。このことから、多くの巨大企業で使用されてることが分かる一方、顧客が巨大企業の内の半分程度であるためまだまだ拡大の余地があると見ることができます。

 上のグラフは「ARR(年間経常収益)推移」になります。ARRはサブスクリプションモデルを使用している企業を見る際のKPI(重要指標)になります。FY22Q1のARRは$1.194Bで前年同期比で+74%の成長となりました。この指標の成長率に陰りが見え始めたら要注意です。

 上のグラフは「サブスクリプションARR維持率の推移」になります。120%以上を維持することを目安としており、ここ数年は常に120%以上の水準をキープしています。これは既存の顧客の解約などが殆どなく、モジュールの追加などにより以前より追加投資をしていることを意味します。

 上のグラフは「サブスクリプション顧客の契約モジュール数」になります。FY19Q1では4つ以上のモジュールを使用している顧客は36%だったのに対し、FY21Q1では64%にまで増加しました。また、5つ以上が50%、6つ以上が27%と顧客数だけではなく顧客当たりの収益が増加していることを読み取ることができます。

 クラウドストライクは将来的に上記の営業モデルで運営していく目標を立てています。

 ・サブスクリプション粗利益率    77~82%

 ・S&M(営業・マーケティング費用) 30~35%

 ・R&D(研究開発費)        15~20%

 ・G&A(一般管理費)          7~9%

 ・営業利益率             20~22%

 ・フリーキャッシュフローマージン  30%以上

   これらの数字を頭に入れながら業績について見ていきましょう。

 FY22Q1のサブスク粗利益率は74%(目標77~82%)となりました。依然と比較すると粗利益率は改善してきているものの、FY20後期から伸び悩んでいることが分かります。モジュール数を増やしたことによるコスト増加などの要因が考えられるため、これからどれだけ顧客当たりの使用モジュール数を増やしていくかが鍵になってきます。

 次にS&M(営業・マーケティング費用)は45%(目標30~35%)となりました。費用自体は増えているものの、売上高に対する割合はどんどん減少していることが分かります。売上高の増加量に対して営業・マーケティング費用の増加量が小さいため、今後規模が大きくなれば2,3年後には目標に達すると考えられます。

 次にR&D(研究開発費)は26%(目標15~20%)となりました。研究開発費は企業の成長の源泉であるため特に重要となります。推移を見ると少しずつ割合が減少していることが確認できます。

 最後にG&A(一般管理費)は14%(目標7~9%)となりました。グラフを見るとあまり変わらず推移していることが分かります。

 これらの結果から、目標に対し実績値は5~10%前後未達の状況にあるため、営業利益率は大幅にマイナス(赤字)になっています。目標は最終的なものであるのでおそらく規模拡大のためにどんどん費用を使っていくと思いますが、数値だけは頭に入れて今後の決算も確認していきましょう。

株価

●2021/6/4現在 

 ・株価   206.94$

 ・時価総額 46.72B$

 ・PSR     35倍

   ※FY22の通期ガイダンス売上高で計算

 クラウドストライク(CRWD)の株価は2020年から大きく上昇しました。そのため、PSR(株価/売上高)は35倍とかなり高水準となっています。今回の決算は素晴らしい内容でしたが、株価のバリュエーションが高いためか決算発表翌日に4%近く下落しました。

 先日、サイバーセキュリティのスタートアップであるSentinelOne($S)が上場するニュースがありました。競合ということで現在クラウドストライクを保有している投資家がSentinelOne($S)に移ることで株価が下落する可能性があります。そのため、SentinelOne($S)がいつ上場するかについてなどのニュースも注目してみていく必要があります。

 ↓ $S センチネルワンとクラウドストライクの比較記事を書いているのでご覧ください

まとめ

・FY22Q1の決算は売上高○、EPS○、ガイダンス〇

・顧客数、ARR、維持率は堅調に成長

バリュエーションが高いため投資する際は注意

参考文献:https://ir.crowdstrike.com/news-releases/news-release-details/crowdstrike-reports-first-quarter-fiscal-year-2022-financial

コメント

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