【INTC】2021年度第1Q決算発表 インテル(Intel)

決算まとめ

決算まとめ

 半導体メーカーであるインテル(INTC)が4/23に2021年第1Qの決算を発表しました。

●2021年Q1

 売上高 186億$(予想177億$)

  粗利率 58.4%

 EPS 1.39$(予想1.15$)

●2021年Q2ガイダンス

 売上高 178億$(予想176億$)

  粗利率 57.0% 

× EPS 1.05$(予想1.11$)

●2021年通期ガイダンス

 売上高 725億$(予想721億$)

  粗利率 56.5% 

 EPS 4.60$(予想4.56$)

 売上高は186億$、EPSは1.39$とコンセンサスの予想を上回る良い結果となりました。

 しかし、2021年Q2のEPSのガイダンスが予想より弱く、全体としてはまぁまぁな決算発表となりました。

 前年比売上高はほぼプラマイゼロとなっており、競合の台湾セミコンダクター(TSM)が増収増益を続けているのと比較すると少し物足りないかもしれません。

 台湾セミコンダクター(TSM)の決算まとめについては下記記事にてまとめています。

業績

 ここ最近の売上高は180億$前後で推移しており、粗利益率も60%弱をキープしています。2020年は新型コロナウイルスの影響によりリモートワークをする人が増え、ノートPCなどの需要が爆発的に伸び、インテルのノートPC向け半導体の売り上げは増加しましたが、全体の売上高は期待より大きなものにはなりませんでした。

 それでは製品別の売上高を見ていきましょう。

 上の2つのグラフがグラフは「部門別売上高推移」と「2021Q1の製品別の売上高比率」になります。

 ノートPCやデスクトップなどの製品向け半導体のクライアントコンピューティング部門が売上高の56%を占めています。次いでデータセンター部門が29%、メモリー用半導体のNSG部門が6%、IoT部門が5%、自動車の運転補助システムに使用されているモービルアイ部門が2%、PSG(プログラマブルソリューション)部門が3%になります。

 クライアントコンピューティング部門とデータセンター部門で売上高の85%を占めるため、この2部門でのシェア維持・拡大が重要となっています。

 データセンター部門が2019年Q3から2020年Q2にかけて増加しているものの、2020年Q3から現在にかけて減少していることがわかります。主力部門であるデータセンター向け半導体がこれからもシェアを落としていくのか、踏みとどまるのか注目していかなければなりません。

 こちらのグラフが売上高の前年同期比を示しています。

 クライアントコンピューティング部門はノート向けが19%増加した一方でデスクトップ向けが7%減少したため、全体としては+8.4%に留まりました。モービルアイ部門は前年比+48%と大きく増加し、過去最高収益を記録しました。

 一方でインテルの主力部門であるデータセンター部門では、前年比-20%と大きく減少しました。GoogleやMicrosoftなどの巨大テック企業が自社のデータセンター向け半導体を自社設計する動きを見せており、インテルへの逆風は続いています。

 また、NSG部門やPSG部門も前年比でー18%、-6%と減少しています。

 

今後の展望

 半導体市場は今後数年高い需要により成長していくと予想されています。

 このことから、インテルの設備投資額は2021年で200億ドルを計画しています。競合の台湾セミコンダクター(TSM)は2021年で300億ドルとなっており、少し物足りない気がします。

 現在インテルの最先端製造プロセスでは10nmの半導体チップしか生産できていません(台湾セミコンダクターは5nmを製造中)。次世代の7nm半導体チップは2023年に量産生産を行う予定としています。台湾セミコンダクターは7nm半導体を2018年に量産し、5nmも2020年に量産しており、インテルは技術としてかなり遅れていると言われています。ただし、インテルの7nm半導体チップは台湾セミコンダクターの5nmの性能に匹敵すると言われており、2023年に7nm半導体の量産が可能という発表には大きな意味を持ちます。

 新戦略【IDM2.0】と言われる受託生産(ファウンドリー)サービスの開始を発表しました。インテルはこれまで設計から製造を一貫して行う垂直統合型デバイスメーカーと言われる体制を取っていました。しかし、エヌビディアやAMDなどの設計のみを行うファブレス企業の台頭やGAFAMなどの巨大テックの自社設計の半導体チップの需要拡大しており、受託生産の需要が増加しています。このような背景から今回のIDM2.0が発表され、新たな顧客獲得と事業拡大を狙っています。

 しかし、先端プロセス技術の遅れから、設計メーカーの需要に応えられる性能の半導体チップを製造することができるのか、台湾セミコンダクターなどのファウンドリー企業のシェアを奪うことができるかは疑問です。また、これまでインテルは設計から生産まで一貫して行っていたため高い粗利益率を得ることができていましたが、ファウンドリー事業を開始することにより粗利益率が悪化することは念頭に置いておかなければなりません。

まとめ

・2021年Q1の結果はまずまず(ほぼ予想通り)

・半導体需給のひっ迫は今後も続くため、引き続き成長が期待できる

・2021年の設備投資額は200億$(台湾セミコンダクターは300億$)

先端プロセス7nmは2023年に量産予定

・【IDM2.0】受託生産サービスを発表

コメント

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