【決算まとめ】アドビ(Adobe)2021年第2Q [ADBE]

決算まとめ

事業内容

 アドビ(Adobe)はアメリカのカリフォルニア州に本社を構えるテクノロジー企業です。PDFPhotoshopなど日常生活や仕事で必ずと言っていいほど見かける無くてはならない製品を提供している企業になります。以前はソフトウェアをパッケージ販売する売り切りモデルだったが、クラウド化によるサブスクリプションモデルへ転換しました。その結果、現在では収益の殆どがサブスクリプションによるものとなっています。顧客は個人から大企業まで様々な形態で存在します。顧客企業にはtiktokを運営するバイトダンスやマイクロソフト、Unity、Netflixなどが含まれます。

事業セグメント

 アドビの事業セグメントは「デジタルメディア事業」、「デジタルエクスペリエンス事業」、「出版広告事業」の3つで構成されています。

●デジタルメディア事業

・Adobe Creative Cloud

 …Photoshop,Illustrator,Premiere Pro,Lightroom,InDesign,Adobe XDなどのクリエイティブ製品を利用できるクラウド配信サービス

・Adobe Creative Cloud

 …Adobe AcrobatでPDFの文書を編集したり、Adobe Signで電子署名などが可能

●デジタルエクスペリエンス事業

企業へマーケティング活動支援ソリューションを提供

●出版広告事業

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年第Q2

 売上高 $3.84B(予想3.73B)前年同期比+23%

 EPS 3.03$(予想2.81$)

・デジタルメディア収益 $2.79B 前年同期比+22%

・デジタルメディアARR $11.21B

・デジタルエクスペリエンス収益 $938M 前年同期比+21%

●2021年第Q3ガイダンス

 売上高 $3.88B(予想$3.83B)

 EPS 3.00$(予想2.89$)

・デジタルメディア収益 前年同期比+22%

・デジタルメディアARR +$440M

・デジタルエクスペリエンス収益 前年同期比+21%

 売上高は予想$3.73Bに対し$3.84B(前年同期比+23%)、EPSは予想2.81$に対し3.03$と売上高、EPS共にコンセンサス予想を上回りました。また、デジタルメディア事業の収益は$2.79B、デジタルエクスペリエンス事業の収益は$938Mとなり、どちらも前年同期比+20%以上となりました。

 2021年Q3の売上高ガイダンスは$3.88B、EPSは3.00$とコンセンサス予想を上回りました。デジタルメディア事業、デジタルエクスペリエンス事業の収益はどちらも前年同期比+20%強の予想となっています。この決算発表を受け、アドビの株価は大きく上昇しています。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

  上のグラフは「売上高、営業利益率の推移」になります。2021年Q2の売上高は3.84B(前年同期比+23%)、営業利益率37%となり、前年同期から大きく上昇しました。売上高の推移を見ると、2021年Q1から今期は減少しているものの、毎期順調に増加しています。Youtubeやインスタグラムなど一般人が誰でも発信できる環境にある今、アドビのPhotoshopなどの製品がどんどん広がっています。営業利益率の推移を見ると、少しずつ増加していることが分かります。これは粗利益率の改善と営業費用の減少の両方によるものです(詳しくは後述します)。

粗利益率

  上のグラフは「粗利益率の推移」になります。セグメント別の粗利益率を見ると、デジタルメディア事業は約96%、デジタルエクスペリエンス事業は約65%と一定の水準を維持しており、出版広告事業は40~80%となっています。出版広告事業の粗利益率が大きく変動していますが売上高の3%程度なので特に気にする必要はないと思います。

 全体の粗利益率は2019年Q1から少しずつではありますが増加しています。これは粗利益率の高いデジタルメディア事業の売上割合が上昇しているためです。

営業コスト

 上のグラフは「営業コストの推移」になります。各項目別に見るとR&D(研究開発費)は17%前後、S&M(マーケ費用)は30%弱、G&A(一般販管費)は7%前後を推移しています。営業コスト全体を見ると、2019年の58%から少しずつ減少しており、現在では52%となっています。突出して減少した項目は無いものの全ての項目が少しずつ寄与して全体を減少させています。

地域別売上高

 上のグラフは「地域別売上高の推移、今期の地域別売上高割合」になります。売上高は順調に伸びていますが、地域別の売上高の割合は大きく変化しておらず、どの地域も同程度に成長しています。売上高の比率としては南北アメリカが57%、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)が27%、APAC(アジア)が16%となっています。

デジタルメディアクラウドARR

 上のグラフは「デジタルメディアクラウドARRの推移」になります。ARRとはAnnual Recurring Rebenueの略で毎月繰り返し得られる売上を年換算したものでサブスクリプションのビジネスで重視される指標です。

 アドビの主力となるデジタルメディアクラウドはクリエイティブクラウドとドキュメントクラウドで構成されています。グラフを見るとどちらのクラウド部門も順調に成長していることが分かります。ARRの純増数も少しずつ増加しており、今後の成長も期待できます。

株価

●2021/6/23現在 

 ・株価   575.74$

 ・時価総額 $275.2B

 ・PER     50倍

 アドビ(Adobe)の株価は2020年前半はパンデミックから株価が大きく上昇しましたが、2020年後半から2021年はヨコヨコで推移していました。しかし、2021年4月に高値付近まで上昇し、今回の決算発表後に高値をブレイクアウトし現在は最高値を更新しています。高成長株なのでPERは50倍と一般的にはかなり高い水準となっていますが、アドビの過去のデータと比べると高くはない水準です。

 アドビは配当を出していないものの、自社株買いを継続的に実施しており、今期も210万株の自社株買いを実施しました。

まとめ

・2021年Q2の決算は売上高○、EPS○、ガイダンス〇

・デジタルメディアクラウドARRが順調に成長

 (純増数はどんどん増加している)

参考文献

https://www.adobe.com/content/dam/cc/en/investor-relations/pdfs/71601202/a0m2p5h3fw96x8.pdf

https://www.adobe.com/content/dam/cc/en/investor-relations/pdfs/71601202/b5u2n52ji6ba1l0w.pdf

https://www.adobe.com/content/dam/cc/en/investor-relations/pdfs/71601202/c4b7o2s58fim94fz.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました