【決算まとめ】台湾セミコンダクター2021年第2Q [TSMC]

決算まとめ

事業内容

 台湾セミコンダクター(TSMC)は台湾の半導体受託製造を行う世界最大の企業です。半導体はスマホやPC,自動車などありとあらゆる製品に使用されており、現代で生活を行う中でなくてはならない製品です。台湾セミコンダクターは最先端の技術を有しており、製造技術のレベルは世界一と言われています。また、最先端のものだけではなく、自動車向けなどの製品も手掛けており幅広い製品群での販売網があります。

 台湾セミコンダクターは半導体の製造のみを行っているため、設計などを行うファブレス企業(Nvidia,AMDなど)や自社設計を行うテクノロジー企業(Appleなど)が顧客となります。本来製造のみを行うファウンドリー企業は利益率が良くない下請けというイメージがありますが、台湾セミコンダクターは台湾セミコンダクターでしか製造できない最先端の製品を製造しているため高い利益率を誇ります。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年第Q2

 売上高 $13.29B(予想13.17B)前年同期比+28%

 EPS 0.93$(予想0.93$)

・粗利益率  50.0%

●2021年Q3ガイダンス

 売上高 $14.6~14.9B(予想$14.44B)

・粗利益率  49.5~51.5%

・営業利益率 38.5~40.5%

 売上高は予想$13.17Bに対し$13.29B(前年同期比+28%)、EPSは予想0.93$に対し0.93$と売上高はコンセンサス予想を上回りEPSはイーブンでした。粗利益率は50.0%と前年同期の53.0%から減少しました。

 2021年Q3の売上高ガイダンスは予想$14.44Bに対し$14.6~14.9Bとコンセンサス予想を上回りました。また、粗利益率は49.5~51.5%、営業利益率は38.5~40.5%という予想となっています。

 台湾セミコンダクターは毎月売上高を開示しているため特に大きなサプライズはありませんでした。そのため、決算内容はおおよそ予想通りとなっており素晴らしい決算ではあるものの決算発表後のプレマーケットでは下落しています。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

 上のグラフは「売上高、粗利益率、営業利益率の推移」になります。2021年Q2の売上高は13.29B(前年同期比+28%)、粗利益率50%、営業利益率39%となっています。売上高の推移を見ると、順調に伸びていっていることが分かります。一方で粗利益率が少し低下していることが見て取ることができます。これは輸送費の高騰や為替、水不足によるコスト増加などが原因として挙げられます。利益率はまだまだ高水準ですし、輸送費の高騰など一時的な理由が大きいためそこまで気にすることはないと思います。しかし、利益率の推移がちゃんと下げ止まるのかについては注目しておいた方がいいかもしれません。

 2021年Q3はスマホ、PC向けの売上が大きく伸びるシーズンなので、利益率の高い5nm/7nmの売上が伸びることが期待できます。アップルはiphone12の製造数が過去最高を記録すると発表しており、iphoneに使われる半導体を製造している台湾セミコンダクターにもポジティブなニュースになりました。また、自動車向けの半導体もまだまだ不足しているため、Q3も引き続き高い需要を期待することができます。

プロセス別売上高

  上のグラフは「プロセス別の売上高推移」になります。数字が小さくなるほど最先端の半導体チップになります。最先端の5nmは2020年Q3から量産製造を開始しスマートフォン向けに使用されています。また、7nmはスマートフォンやHPC(High Performance computer)向けなど最先端の電子機器に使用されています。

 プロセス別の売上高推移を見ると10nm以上の売上高はあまり変化していませんが、最先端プロセス(5nm/7nm)の売上高がどんどん伸びているのが分かります。最先端プロセス(5nm/7nm)の売上高に占める割合を見ると、2019年Q2:21%、2020年Q2:36%、202で1年Q2:49%とどんどん最先端プロセスの占める割合が増加しています。最先端プロセスの半導体チップを使用するスマホやHPC向けの需要は依然として高く、今後も成長していくことが期待できます。

製品別売上高

 上のグラフは「製品別売上高成長率、製品別売上高の推移」になります。

 2021年Q2の製品別の売上高成長率はHPC向けと自動車向けが前期比+12%と大きく上昇しました。HPC向けはどんどん市場として伸びてきており、売上高も増加しています。自動車向けについてはコロナによる反動で大きく増加したものの、売上全体に占める割合は低いため大きなインパクトはありません。

 製品別売上高の推移を見ると、スマホ向けは前期から減少していることが分かります。これはスマホの売上高に季節性があり、クリスマス・年末にかけて売上が上昇するため、スマホ向けの半導体はQ3,4に売上が上昇しQ1,2が低下する傾向があるためです。

 HPC向けを見ると年々売上高が増加しており、2021年Q2では全体の39%を占め、過去3年間で最大割合を記録しました。季節性の大きいスマホ向けの割合が相対的に減少しているこの状況は台湾セミコンダクターにとって良いことです。季節性によって売上高の変動が大きいと最大生産量に対して生産体制を合わせる必要があり、最小生産量の時期は稼働率の低下などの無駄が発生します。そのため、通期で安定した一定の需要があることはとても重要になります。

株価

●2021/7/14現在 

 ・株価    124.39$(プレで-3%と下落中…)

 ・時価総額 $566.7B

 ・PER     33倍

 ・配当    1.83$(配当利回り 1.5%)

 台湾セミコンダクター(TSMC)の株価はコロナショックの底から大きく上昇したものの、2021年に入ってからヨコヨコで推移しています。PERは33倍となっており事業の成長性を加味するとそこまで高くない水準だなという印象です。これからの社会で半導体は無くてはならない存在であり、今後も成長していく分野だと信じており、株価もこれからどんどん伸びていくのではないかと思っています。

 私は台湾セミコンダクターをPFの10%程度保有しており、今回の決算発表で3%近く下落しているため買い増しを検討しています。また、現時点では売却の予定はありません。

まとめ

・2021年Q2の決算は売上高○、EPSイーブン、ガイダンス〇

・決算内容が物足りなかったか株価は下落

・季節性が低く利益率の高いHPC向け半導体が大きく成長中

・株価はここ半年停滞気味(購入のチャンスか?)

参考文献

https://investor.tsmc.com/japanese/encrypt/files/encrypt_file/reports/2021-07/47901de3b41481cfca3b9ce066c6b648ba751188/2Q21Presentation%28E%29.pdf

https://investor.tsmc.com/japanese/encrypt/files/encrypt_file/reports/2021-07/5c89e6ccda39f1468cdac7e1bf1955789c5fb338/2Q21EarningsRelease.pdf

https://investor.tsmc.com/japanese/encrypt/files/encrypt_file/reports/2021-07/9569f2662ae0f3983455ad377b6c280825899d01/FS.pdf

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