【決算発表】ショッピファイ(Shopify)2021年第2Q [SHOP]

決算まとめ

事業内容

 ショッピファイ(Shopify)はオンラインストアサイトを作成するECプラットフォームを運営してる企業です。ショッピファイを使えば誰でも簡単にオンラインストアを作成することができ、コロナ渦におけるネットショッピング需要の高まりにより急激に成長しています。日本ではCMでよく見るBASEという企業が同様のオンラインストアプラットフォームを展開しています。最近ではInstagramでSHOP Payが利用できるようになるなど様々なSNSと連携を取り、どんどん事業領域を広げ現在まで持続的に高成長を維持しています。オンラインショッピング業界ではAmazonが不動の地位を築いていますが、その牙城を崩すべくShopifyはどんどん事業規模を成長させています。事業の成長性について評価する際には、その企業単体だけではなく業界全体を見る必要があります。そこで、先日決算発表のあったAmazonの決算も踏まえてショッピファイの決算内容を見ていきましょう。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年第Q2

 売上高 $1.12B(予想1.04B)前年同期比+57%

 EPS 2.24$(予想0.96$)

・GMV(流通取引総額) $42.2B 前年同期比+40%

・MRR(Monthly Revurring Revenue) $95.1M 前年同期比+67%

●2021年通期ガイダンス

・具体的な数字はナシ

・2020年ほどではないが過去と同等ペースで成長見込み

・Q1~Q4にかけて売上高は増加見込み(大きくは増加せずほぼ均等になる)

 売上高は予想$1.04Bに対し$1.12B(前年同期比+57%)、EPSは予想0.96$に対し2.24$とどちらもコンセンサス予想を上回りました。また、GMV(流通取引総額)は $42.2B(前年同期比+40%)、MRR(Monthly Revurring Revenue)は$95.1M(前年同期比+67% )と順調に伸ばしています。

 2021年の通期ガイダンスについて、いつも通り具体的な数字はありませんでした。しかし、2020年の爆発的な成長は無いものの以前と同様のペースで成長する見込みで、Q1からQ4にかけて少しずつ売上高が増加していくとのことでした。2021年は2020年の反動もあり、中々成長を維持するのは難しいとは思いますがどれだけAmazonのパイを奪えるかに期待です。

 

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

 上のグラフは「売上高、営業利益率の推移」になります。

 2021年Q2の売上高は $1.12B(前年同期比+57%) 、営業利益率12.4%と成長しています。ショッピファイは小売り特有の売上高に季節性があり、Q4の売上高が跳ねて次のQ1に減少する傾向があります。売上高の推移を見るとコロナ特需により2020年Q2から加速度的に増加していることが分かります。それに加え、2021Q1,Q2も売上高の増加速度を維持していることが分かります。これはショッピファイを利用する販売者の増加、既存の販売者の収益増加が継続している証拠です。

 ショッピファイの売上はサブスクリプションとマーチャントに分けられます。それぞれについて分解して見ていこうと思います。

サブスクリプション売上高

  上のグラフは 「サブスク部門売上高、粗利益率の推移」 になります。

 サブスクリプションは販売者から受け取る定期的な収益であり、季節性がないため収益は安定して増加しています。2021Q2のサブスクリプション売上高は$334M(前年同期比+70%)、粗利益率81%となっています。前期からの売上高増加額でいえば過去最高を記録しており、販売者の増加だけではなく単価が増加していること(プランのUpgrade)が推測できます。また、粗利益率は80%前後という高水準で推移しており、減少の兆しなどの問題はありません。

マーチャント売上高

 上のグラフは「マーチャント部門売上高、粗利益率の推移」、「マーチャント売上高/GMVの推移」になります。

 マーチャント売上高はGMV(流通取引総額)によって変動する収益であり、季節性があります(Q4が高くQ1に減少する)。2021Q2のマーチャント売上高は$785M(前年同期比+52%)、粗利益率は45%となっています。売上高推移を見るとコロナによる巣ごもり需要で2020Q2から爆発的に増加していることが分かります。また、粗利益率は30%後半から40%前半にじわじわ増加していることが分かります。

 これらの増加は マーチャント売上高/GMV で説明することができます。 「マーチャント売上高/GMVの推移」を見ると、少しづつ増加していることが分かります。これはつまりGMVに対してマージンとして得られる収益が増加しているということです。

粗利益率・営業コスト

 上のグラフは「粗利益率、営業コストの推移」になります。

 粗利益率の推移を見ると55%前後で推移していることが分かります。これは粗利率の高いサブスク部門の売上高の割合が減少し、粗利率の低いマーチャント部門の売上高の割合が増加しているものの、マーチャント部門の粗利益率が増加しているため全体の粗利益率としては増減の要素が相殺されて横ばいとなっています。そのため、今後もマーチャント部門の売上占有率が増加することが予測されるため、全体の粗利益率はこれから少しづつ減少していくことが予想されます。

 S&M(セールス&マーケティング費用)、R&D(研究開発費)、G&A(一般販管費)の推移を見ると、少しづつ減少していることが分かります。S&M費用自体は増えているものの、それ以上に売上高増加が大きいため費用の割合としては減少しています。

 これらのことから、今後もビジネスモデルに大きな変化がない限り営業利益率は10~20%の間を推移するんじゃないかなぁと思います。

MRR(Monthly Recurring Revenue)

 上のグラフは「MRR(Monthly Recurring Revenue)の推移」になります。 MRRとは毎月繰り返し得られる収益のことを指し、日本語では月次経常収益と訳されます。

 MRRの推移を見ると2020年Q3に跳ね上がり、そこからも大きく伸びていることが分かります。おそらく2020Q3以降は成長が鈍化するとは思いますが、増加せずに減少しないかは要注意で見なければいけません。

GMV(流通取引総額)

 上のグラフは「GMV(流通取引総額)の推移」になります。ショッピファイのサイトを通じてどれだけの商品が売買されたかを示します。

 GMVの推移を見ると2020年Q2に大きく増加し、2020年Q4ではブラックフライデーやクリスマスにより最高取引額を叩き出すなど大きく増加しました。また、今期2021年Q2ではその最高額を超える大きな伸びを見せました。競合のAmazonのオンラインストアの収益は2021Q2で$78.2B(前年同期比+22%、前期比+2%)となりました(2021年Q2はプライムデー有)。 それに対しショッピファイ(Shopify)の2021年Q2のGMVは$42B (前年同期比+40%、前期比+13%) となりました。この結果から、ショッピファイはAmazonと比較して伸びている(シェアを拡大している)ことが分かります。Amazonは規模が既に大きく新規の販売者が少ないため収益が増加せず、ショッピファイは新規販売者が増加したためAmazonよりも収益が増加したのだと推測できます。そのため、2021年の収益の減速もAmazonに比べ比較的緩やかになるのではないかと予想できます。

株価

●2021/7/31現在 

 ・株価    1499.93$

 ・時価総額 $187B

 ・PER   167倍(2021年Q2 EPS:2.24$で計算)

 PERは167倍とかなりの高水準となっております。今後も成長が見込まれますがコロナ渦ほどの爆発的な伸びは期待できないので急激な株価の上昇は期待できないかもしれません(買収などがなければ…)。

 私も以前ショッピファイを保有していましたが、2021年の減速を懸念して2021年の2月頃に1300$前後で売却してしまいました(そこから200$も上昇しているという)。しかし、今回の決算を見ると想像していたよりも強い成長を見せているなという印象です。売却した時から15%近く上昇していますが、再購入してもいいかも?と少し思っています。しかし、同じEコマースのAmazon、Chewyも保有しているので悩みどころです…

まとめ

・2021年Q2の決算は売上高○、EPS○

・競合Amazonよりも成長◎

・株価は未だ高水準

参考文献

https://d18rn0p25nwr6d.cloudfront.net/CIK-0001594805/9a396d67-9faa-43f1-a425-80333d9d746a.pdf

https://s27.q4cdn.com/572064924/files/doc_financials/2021/q2/Press-Release-Q2-2021.pdf

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