【決算発表】ウォルマート(Walmart)2021年第2Q(FY22Q2) [WMT] 

決算まとめ

事業内容

 ウォルマートはアメリカに本拠地を持つ世界最大規模の小売企業です。現在では海外展開を進めており、世界20か国以上に展開しています。

 すべての事業が同じ小売(スーパー、ディスカウントストア)ですが、米国事業、海外事業、サムズクラブ(会員制スーパー)の3つの事業に分かれています。取扱商品は食料品、医薬品、その他の一般製品(本、衣服etc)などが中心となっています。店舗数は全ての事業を合わせると1万店舗を超しており、毎週2億2000万人が店舗を訪れます。また、近年ではEコマースにも力を入れています(下のサイトはEコマースのWalmart.com)。

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 ウォルマートの競合としては会員制スーパーのコストコ、クローガー、ウォルグリーンズなどが存在しています。その中でもウォルマートは店舗数、大量仕入れ(と人件費削減)による価格競争力を強みとしています。(余談ですがウォルマートは最低賃金で労働環境が悪く労働者にとっていい環境ではないとの話をよく聞きます…)

 また、Eコマースを推進したいウォルマートとしてはAmazonも競合の一つになるでしょう。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年Q2(FY22Q2)

 売上高 $141.0B(予想$136.9B)前年同期比+2.4%

 EPS 1.78$(予想1.56$)

・米国事業 前年同期比+5.3% / Eコマース+6%

・海外事業 前年同期比-15.2%

・Sam’s Club 前年同期比+13.9% / Eコマース+27%

●2021年Q3(FY22Q3),FY22通期ガイダンス

○FY22Q3

・米国事業売上高 6~7%の増加(ガソリン除く)

・EPS      1.30~1.40$ (予想1.31$)

○FY22通期

・売上高     わずかにプラス

         (米国は5~6%の増加、Sam’s Clubは7.5~8.5%の増加、海外は21.5~22.5%の減少) ※海外は事業売却を除けば7~8%の増加

・営業利益    9~11.5%の増加

EPS      6.20~6.35$(予想 6.02$)

・設備投資    140億$

 売上高は予想$136.9Bに対し$141.0B(前年同期比+2.4%)、EPSは予想1.56$に対し1.78$と売上高、EPS共にコンセンサス予想を大きく上回りました。米国事業、Sam’s Clubの売上高はプラスの成長を見せたものの、海外事業が前年同期比-15.2%(一定の為替レートでは‐24.0%)とマイナス成長しました。しかし、海外事業の減収は日本の西友、イギリスのアズダ、アルゼンチン事業を売却した影響であり、これを除くと25.8% (一定の為替レートでは+12.7%) となりプラス成長になっています。Eコマース事業は米国が+6%、 Sam’s Clubが+27%と前期と比較すると減速はしていますが成長しています。

 2021年Q3(FY22Q3)および通期のガイダンスは上記の通りになります。FY22の通期ガイダンスは海外事業の事業売却を除くと全ての事業でプラス成長となっています。不採算事業の売却により選択と集中、再編を行うことで成長する事業に絞ることができています。FY22通期のEPS予想は6.20~6.35$、設備投資は140億$となっています。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

 上のグラフは「四半期ごとの売上高営業利益率推移」になります。ウォルマートの売上高には季節性があり、第4Qに増加し次の第Q1に減少する傾向があります。

 2021年Q2(FY22Q2)では売上高全体は141.0B$(前年同期比+2.4%)となり、米国事業の売上高は98.2B$(前年同期比+5.3%)、海外事業の売上高は23.0$(前年同期比-15.4%)、Sam’s Clubの売上高は18.6B$(前年同期比+13.9%)となりました。営業利益率は5.2%となりました。粗利益率が0.15%減少しましたが営業費用率が0.81%減少したため、営業利益率が向上し営業利益は前年から+21.4%増加しました。

 売上高推移を見ると少しずつではありますが増加していることが分かります。また、昨年には不採算事業の売却を行っており、収益構造もどんどん改善されています。

米国事業

 上のグラフは「米国事業の売上高、営業利益率推移」になります。米国事業はウォルマートの売上高の7割を占めており、その主力事業の売上高、営業利益率共に右肩上がりで成長していることが分かります。

 今期の売上高は98.2B$(前年同期比+5.3%)、営業利益率は6.2%となっています。また、Eコマース部門は前年同期比で+6%、既存店売上高成長率は+5.2%となっています。今期は、食料品が+5%近くの増加、医薬品が+15%近くの増加、アパレル・アウトドア用品・スポーツ用品などの一般商品が+2%近くの増加となっており、医薬品が前年比+15%近くと大きく貢献しました。

 売上高に対するコロナの影響も少なく堅調に成長していますが、Eコマースが前年同期比で+6%と大きく減速していることが気になります。Amazonなどの他のEコマース企業も苦戦しているため不思議ではありませんが、シェアの小ささを考えると今期殆ど成長していないのはいかがなものか…今後の成長に期待です。

海外事業

 上のグラフは「海外事業の売上高、営業利益率推移」になります。FY19,20,21で売上高はほぼ横ばいに推移しており、不採算事業の売却によりFY22では売上高が減少しています。

 今期の売上高は 23.0$(前年同期比-15.4%) 、営業利益率は3.9%となっています。事業売却を除くと売上高成長率は+25.8%(為替一定レートで+12.7%)とプラス成長をしていますまた、Eコマースの売上高が全体の19%を占めています。今期は、メキシコ・中国・インドのEコマースFlipkartが力強い成長が売上高成長を牽引しました。

 不採算事業の売却により売上高は減少しましたが、今後集中した事業で成長を続けられるかに注目です。

Sam’s Club

 上のグラフは「Sam’s Clubの売上高、営業利益率推移」になります。 会員制スーパーSam’s Clubの売上高、営業利益率は共に右肩上がりで成長していることが分かります。

 今期の売上高は18.6B$(前年同期比+13.9%、ガソリン除くと+7.7%)、営業利益率は3.8%となっています。 また、Eコマース部門は前年同期比で+27%、会員費収入成長率は+12.2%となっています。今期は、食料・飲料が前年同期比+15%近く、冷凍食品が+10%強と大きく貢献しました。

株価と株主還元

株価

●2021/8/22現在 

 ・株価   151.45$

 ・時価総額  $424B

 ・PER   24.4倍 ※FY22通期ガイダンスで計算

ウォルマートなどの食料品を扱う企業は生活必需品であり、コロナによる悪影響を受けるどころか巣ごもりによる恩恵を受けるため、コロナショックで株価は大きく下落しませんでした。それに加え業績、配当金が安定しているため堅調に推移しています。現在、株価はどんどん上昇しており最高値圏にあります。

 ウォルマートは株主還元を積極的に行う企業です。株主還元の方法は大きく2つあり、【自社株買い】と【配当金】があります。ウォルマートはその2つ両方を継続的に行っています。それぞれについて見ていきましょう。

自社株買い

 上のグラフは発行株式数と自社株買いの推移になります。

 ウォルマートは2017年10月に2年間で200億の自社株買いを行うという発表しましたがコロナによる影響などもあり、予定より長い3年近く(FY21Q4まで)をかけて完了しました。これによりFY19Q1からFY21Q4にかけて1億5300万株の自社株買いが実施されました。さらに、2021年2月に2年間で200億$の自社株買いを実施するとの発表があり、今期FY22Q2では1700万株の自社株買いを実施しました。グラフの様に買取株数にばらつきはあるものの、今後も継続した自社株買いにより株価の上昇が期待できます。

配当金

 上のグラフは年間配当金の推移になります。

 毎年配当金を増配しており、48年連続増配を記録しています(記録継続中)。配当性向40%強とそこまで高くなく、支払い能力に心配はないためこれからの増配も期待できます。

 自社株買いと配当による株主還元が素晴らしいため、ポートフォリオの1つに持っておきたいと思える銘柄です。株価が割安といえる水準ではないため、株価が下がれば積極的に買い向かいたいと思える銘柄だと思います。その代わり急激な成長などはないので急激な株価上昇は見込めないため、安定を求めた長期投資に向いていると思います。

まとめ

・2021年Q2(FY22Q2)の決算は売上高○、EPS○

・業績は堅調(海外は再編を実施しこれからどうなるか注目)

株主還元はGood(今期1700万株自社株買い実施)

参考資料

https://s2.q4cdn.com/056532643/files/doc_financials/2022/q2/Earnings-Presentation-(FY22-Q2).pdf

https://s2.q4cdn.com/056532643/files/doc_financials/2022/q2/Earnings-Release-(FY22-Q2).pdf

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