【決算発表】クラウドストライク(CrowdStrike)FY22 2Q(2021年9月) [CRWD] 

決算まとめ

事業内容

 クラウドストライク(CrowdStrike)はセキュリティクラウドプラットフォーム「Falcon」を運営するサイバーセキュリティ企業です。2019年にIPO(新規上場)を果たし、これまで高成長を維持しています。近年、日本ではDXと騒がれているデジタル化やデジタル・セキュリティの変革、クラウドの導入、ランサムウェアの流入などによりセキュリティ需要が高まっています。そこで、クラウドストライクは「We stop breaches(侵入を阻止する)」という信念の下、19のモジュールによりこれらの脅威から守る術を提供しています。また、自社の成長だけでなくScalyrやHumioなどの企業を買収し、どんどん事業を広げていっています。

 クラウドストライクは買収やモジュールの追加によりアドレス可能な市場をどんどん大きくしており、2021年現在の潜在的な市場規模は$36.5Bであり、その市場は年9%の成長を続け、2023年には$43.6Bに膨れ上がると予測しています。また、クラウド事業そのものの市場規模成長に対し、クラウドセキュリティ事業への投資される予想額が不足していることを指摘し、現在の予測を上回る成長をするだろうと考えています。

 IPO時の2019年では$25Bだった市場規模が2025年には$106Bにまで成長し得るとのことです。そのため、企業の成長と共に市場自体も成長していくことが予想されます。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●FY22Q2

 売上高 $337.7M(予想$323.2M)前年同期比+70%

 EPS 0.11$(予想0.09$)

・ARR 1.34B

・サブスク顧客数 13080(前期比+1660)

●FY22Q3ガイダンス

 売上高 $358.0~365.3M(予想$351M)

 EPS  $0.08~0.10(予想$0.09)

●FY22通期ガイダンス

 売上高 $1.391~1.409B(予想$1.36B)

 EPS  $0.43~0.49(予想$0.40)

 売上高は予想$323.2Mに対し$337.7M(前年同期比+70%)、EPSは予想0.09$に対し0.11$と売上高、EPS共にコンセンサス予想を上回りました。また、ARR(年間経常収益)は1.34B(前期比+12.6%)、サブスクリプション顧客数は13080(前期比+1660)と成長しました。

 FY22第2Q、通期のガイダンスは上記の通りであり、いずれもコンセンサス予想を上回りました。

 この決算を受け、株価は‐4%近く下落しています。素晴らしい決算ですが予想の範疇を超えず、期待に応えることができなかったためかもしれません。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

 上のグラフは「売上高、サブスク粗利益率の推移」になります。売上高は右肩上がりに成長しており、サブスク粗利益率はFY20辺りから横ばいで推移していることが分かります。

 FY22Q2の売上高は$337.7M(前年同期比+70%)、サブスク粗利益率は76%となっています。粗利率が微妙に減少してきているのは気になりますが大きく減少しているわけではないので問題ないと思います。

営業費用

 上のグラフは「営業費用の推移」になります。

 S&M(営業・マーケティング費用)は46%となりました。全体で見れば右肩下がりで減少していますが、直近で増加していることが分かります。

 次にR&D(研究開発費)は27%となりました。研究開発費は企業の成長の源泉であるためケチることはできません。ほぼほぼ横ばいで推移していることが分かります。

 最後にG&A(一般管理費)は15%となりました。グラフを見るとあまり変わらず推移していることが分かります。

 これらの結果から、営業利益率は‐14%と大幅にマイナス(赤字)になっています。事業規模を急速に拡大させていくグロース株特有の赤字続きなので問題はありませんが、最終的にどれくらいの営業利益率になるかはイメージしておいた方がいいかもしれません。

サブスク顧客数

・主要顧客

Fortune100Fortune500大手銀行20社
FY22Q16121413
FY22Q26323414

 上のグラフは「サブスクリプション顧客数の推移」、表は主要顧客であるFortune100、Fortune500,大手銀行20社の顧客数になります。FY22Q2終了時点でのサブスクリプション顧客数は前期から1160社増加し13080社となりました。顧客増加数の推移を見るとFY21(2020年)からどんどん加速していることが分かります。また、顧客の内訳を見るとフォーチュン100(世界の総収入ランキングTOP100)から63企業、フォーチュン500のうち234企業、銀行TOP20のうち14企業がクラウドストライクを利用しており、前期から比較すると着実に伸びています。このことから、多くの巨大企業で使用されてることが分かる一方、顧客が巨大企業の内の半分程度であるためまだまだ拡大の余地があると見ることができます。

ARR(年間経常収益)

 上のグラフは「ARR(年間経常収益)推移」になります。ARRはサブスクリプションモデルを使用している企業を見る際のKPI(重要指標)になります。FY22Q2のARRは$1.34Bで前期比で+13%の成長となりました。成長率が少しずつ減少していることが分かります。しかし、売上高の規模が大きくなると成長率が減少するのは自然のことであり、急落などはしていないので特に問題はないと思います。

サブスクリプションARR維持率

 上のグラフは「サブスクリプションARR維持率の推移」になります。120%以上を維持することを目安としており、ここ数年は常に120%以上の水準をキープしています。これは既存の顧客の解約などが殆どなく、モジュールの追加などにより以前より追加投資をしていることを意味します。FY22の数字は基準である120%を超しているという情報のみで正確な数値については公表していません

モジュール数

 上のグラフは「サブスクリプション顧客の契約モジュール数の推移」になります。データが飛び飛びですが右肩上がりに成長していることが分かり、FY22Q2ではモジュール数が4つ以上の顧客が66%、5つ以上が53%、6つ以上が29%となっています。この数字の上昇が顧客維持率の高さを裏付けていると言えます。

株価

●2021/9/1現在 

 ・株価   281.00$

 ・時価総額 $64.67B

 ・PSR     46倍

   ※FY22の通期ガイダンス売上高で計算

 クラウドストライク(CRWD)の株価は2020年から大きく上昇しており、PSR(株価/売上高)は46倍とかなり高水準となっています。今回の決算は素晴らしい内容でしたが、株価のバリュエーションが高いためか決算発表翌日に4%近く下落しました。

 私個人はクラウドストライクを保有していましたが、決算前に売却しました。理由は株価が短期的に上がりすぎておりバリュエーションが高すぎる点です。クラウドストライクの事業は素晴らしく、今後も成長していくだろうと考えています。

 クラウドストライクはFY25に$3.0BのARR、営業利益率20%を目標としており、そこから計算すると営業利益は$0.6Bです。個人的にFY25でこれだけ利益が出ているということは成長率もある程度落ち着いているのでPERは130倍ぐらいかなぁと思っています。そう仮定すると株価はだいたい340$ぐらいになります。現在の株価から考えると3年間で20%ぐらいしか上昇しないことになります。そう考えるとリスクリワードが悪いと感じたため売却に至りました。そのため、業績見通しが変化せず株価が大きく下落したら再び購入するかもしれません。

 2021年6月末にサイバーセキュリティのスタートアップであるSentinelOne($S)がIPOしました。IPOから株価が大きく上昇しており、クラウドストライクよりも株価水準が高くなっています。この様な上昇から、サイバーセキュリティ事業の注目度は高く今後の成長にも期待されていることが分かります。

まとめ

・FY22Q2の決算は売上高○、EPS○、ガイダンス〇

・顧客数、ARR、維持率は堅調に成長

バリュエーションが高いため投資する際は注意

参考文献

CrowdStrike Reports Second Quarter Fiscal Year 2022 Financial Results | CrowdStrike Holdings, Inc.
Achieves ending ARR of .34 billion driven by record net new ARR of 1 million and adds a record 1,660 net new subscription customers in the quarter SUNNYVAL...
https://ir.crowdstrike.com/static-files/547e5c92-3594-4eef-9dfc-9eca37b635f4

コメント

  1. […] […]

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