【決算発表】チューイー(Chewy)2021年Q2 [CHWY]

決算まとめ

事業内容

 チューイー(Chewy)はアメリカのペット関連製品専門のオンラインショッピング企業です。2019年にIPO(新規上場)を果たした急成長企業でIPO時は赤字でしたが、2021年現在では既に黒字化しています。コロナのパンデミックによりEC需要が爆発し、Chewyも大きく売り上げを伸ばしました。ワクチン接種の広がりによりオフラインへの回帰が進み、前回の決算では期待に応えられず株価は大きく下落しました。今回の決算では期待できる結果を残せたのでしょうか…

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年第Q2

× 売上高 $2.155B(予想2.17B)前年同期比+27%

 EPS 0.02$(予想-0.015$)

・定期購買の売上高割合 70.3% 

・アクティブ購入者 2010万人 前年同期比+21%

・顧客単価  404$  前年同期比+13%

●2021年第Q3ガイダンス

 売上高 $2.20~2.22B 前年同期比+23~25%

●2021年通期ガイダンス

・ 売上高 $8.9~9.0B 前年比+25~26%

 売上高は予想$2.17Bに対し$2.155B(前年同期比+27%)、EPSは予想-0.015$に対し0.02$と売上高はコンセンサス予想を下回ったものの、EPSはコンセンサス予想を上回りました。また、定期購買の売上高割合は70.3%と前期から1.0%上昇しました。チューイーの強みである定期購買の売上比率の高さは必ず見ておかなければいけない重要な指標(KPI)です。アクティブ購入者も前期から30万人増え2010万人となりました。顧客単価も前期から+4%上昇し404$となり、各指標が順調に成長していることが分かります。

 2021年Q2の売上高ガイダンスは$2.20~2.22B、2021年通期の売上高ガイダンスは$8.9~9.0Bとなっており、今期の売上高から殆ど伸びておらず少し物足りないかもしれません。

 今期の売上高の伸びの悪さ、ガイダンスの弱さを受け、決算発表後に株価は‐10%近く下落しています。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

売上高

 上のグラフは「売上高と売上高成長率の推移」になります。Chewyは小売企業によく見られる売上高の季節性(Q4の売上高が跳ねてQ1が弱い)が見られます。

 2021年Q2の売上高は$2.155B(前年同期比+27%)となり、前年同期比の成長率は大きく下落しました。理由は大きく2点あります。一つは在庫切れによるもので、Q1より改善はされたものの依然として在庫切れが発生しているとのことです。もう一つは2020年Q1からコロナウイルスの拡大による特需で売上高が爆発し、今回の決算からその売上高と比較しないといけない点です。残念ながら売上高成長率は減少しましたが、在庫不足を発生させるほどコロナ特需で増えた顧客を取り込むことができたとポジティブに考えることもできます。在庫切れは供給不足によるもので、下半期には生産能力増強で緩和されると考えられています。

粗利、営業費用、営業利益

 営業利益率を見るとどんどん良化していっており、今期は‐1%とマイナスになりましたがほぼほぼ黒字に向かっています。営業利益率の上昇の要因は粗利率の上昇営業費用の減少の2つがあり、今回の場合は前者の粗利益率の上昇によるものになります。営業費用は20%後半でヨコヨコに推移しているのに対し、粗利益率はどんどん上昇していることが分かります。売上高が上昇し規模の経済が働いたのに加え、自動配送センターの立ち上げによる営業が効率化されたことが要因だと考えられます。今後も包装の自動化など物流の効率化が進められる予定で更なる粗利益率上昇が期待できます。今期の営業費用の増加はおそらく新しい建物や設備などの導入によるものだと思います。

アクティブ購入者

 今期のアクティブ購入者は前年同期から350万人増加し2010万人となりました。前期からの増加数は30万人と2020年Q1~Q4のパンデミックの期間と比べて減少し、コロナ前の水準を大きく下回りました。おそらくアクティブアカウントの定義が1年以内に購入がある人なので、パンデミック中に単発で購入した人が今回弾かれたことで増加数が大きく減少したのだと考えられます。そのため、Q3,Q4の増加数も厳しい状況になることが予想されます。

 過去2年でアクティブ購入者数は840万人増加しており、全体の75%に相当します。そのため、アクティブ購入者の初購入からの加重平均経過年数は2年弱となっており、平均的な顧客は生涯支出曲線の左側に位置しています。chewyの過去のデータを見ると経過年数2年目で400$+、5年ン目で700$+、9年目に900$+を支出しています。つまり、現在の顧客の多くから支出の増加が予想され、顧客単価の増加が期待できます

顧客単価

 顧客単価は2019年まで順調に増加していましたが、パンデミックにより新規顧客が大きく増加したため、2020年に一旦減少に転じています。しかし、2020年Q3から上昇に転じており、今期は404$と過去最高を記録しました。先述した通りパンデミック中の単発購入者がアクティブアカウントから外されたため、顧客単価は上昇しています。アクティブアカウントの伸び鈍化に対し、顧客単価はQ3,Q4も成長を期待することができます。また、アクティブ購入者の初購入からの平均経過年数が2年弱と短いため、今後も顧客単価の上昇を期待することができます

定期購買

 

 定期購買(一回注文すると定期的に配送されるシステム)の売上高は順調に増加しています。売上高全体に占める割合はパンデミックにより2020年から新規顧客が大きく増加し、新規顧客の単発購入などが増加したため、減少に転じています。2021年Q1,Q2の定期購買の割合を見ると、新規顧客の定着、単発購入の減少により定期購買の割合が増加していることが分かります。

株価

●2021/9/2現在 

 ・株価   87.43$(決算後79$に下落中)

 ・時価総額  37.4B$

 ・PSR     4.15倍

   ※2021年の通期ガイダンス売上高で計算

 チューイー(CHWY)の株価はコロナ特需の影響によりIPOをした2019年から大きく上昇しました。2021年の2月頃に天井を付け、そこから約-40%の大きな下落となりました。現在のPSR(株価/売上高)は4.15倍となっています。粗利益率が高くなく、成長率も2021年は鈍化する予想なのでPSRは他のグロース株に比べて低くなっています。

 個人的には株価水準は低くないが、2021年の成長は鈍化するものの成長余地が見られるので下落したら買ってもいいのではないかと思っています。

 ちなみに僕はChewyを保有していて‐20%近くの含み損を抱えています…

 (今回の決算内容で売るつもりはありません、PFに占める割合も大きいため買い増しはあまり検討していません)

まとめ

・2021年Q2の決算は売上高×、EPS○、ガイダンス×

・パンデミックによる成長先食いで成長鈍化

顧客単価、定期購買割合は増加(単発購入者の減少、エンゲージメントの向上)

参考文献

https://s23.q4cdn.com/610444331/files/doc_financials/2021/q2/Q2-2021-ShareholderLetter-FINAL.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました