【ETSY】2021年度第1Q決算発表 エッツィ

決算まとめ

エッツィ(Etsy)とは?

 ETSYはハンドメイド商品のショッピングサイト運営を行っている企業です。ネットショッピング分野では巨大ECサイトのAmazonや自社ECサイトを作成するShopifyが存在するため、ETSYはハンドメイド製品というニッチな分野を主戦場としています。出展者が個人または少人数である場合が多いため、ユニークな製品や他にはない製品が数多く出展されているところが特徴で出点数は9200万点を超えています。

 コロナウイルスの蔓延初期に日本ではドラッグストアからマスクが消え、中々入手できない状況でした。そこで、不織布やガーゼ、カラフルな布などで手作りのマスクがそこら中で売られるようになりました。この現象はアメリカでも同様に発生し、ハンドメイド製品を取り扱うETSYでは手作りマスクが飛ぶように売れ、コロナ渦で爆発的に売り上げを伸ばしました。現在は通常のマスクが店頭でも手に入り、ワクチン接種によりマスクが不要になる将来も近いため、マスクなどの特需を抜いた純粋な成長を伸ばしていく必要があります。

 ETSYの公式サイトは以下のURLになります。

Etsy - 誰にでもぴったりなハンドメイド、ビンテージ、オーダーメイドのユニークな商品をお買い物しましょう
ハンドメイドのギフト、ビンテージやトレンドのアパレル、ユニークなジュエリー、その他にも数え切れないほどたくさんの商品を見つけましょう。

 オンラインショッピングの市場規模は年々増加しており、コロナウイルス蔓延により将来の成長を先食いしたものの、これからも順調に伸びていくと予想されています。Amazonなどの巨大ECサイトが存在する中でハンドメイド製品ECサイトのETSYがどれだけ存在感を示せるかが鍵になっていきます。

 以下が今期のAmazon、Shopifyの決算まとめになります(オンラインショッピング関連企業の決算内容の比較にどうぞ)。

決算まとめ

 それでは今回の決算を見ていきましょう。

●2021年Q1

 売上高 $550.6M(予想$530M)

  前年同期比 +142%

 EPS 1.00$(予想0.88$)

●2021年Q2ガイダンス

 売上高 $493~536M(予想$494M)

 GMS(取扱高) $2.8~3.1B(前年同期比+5~15%)

 売上高は予想$530Mに対し$550.6M、EPSは予想0.88$に対し1.00$とコンセンサス予想を上回りました。2020年Q1はコロナがまだ蔓延しておらず爆発的な成長は2020年Q2からであったため、売上高成長率は前年同期比で+142%と高い水準を維持しました。

 2021年Q2ガイダンスは売上高予想$494Mに対し$493~536M、GMS(取扱高)は$2.8~3.1Bと前年同期比+5~15%となりました。売上高成長が鈍化したことに加え、2021年Q1から売上高が減少することを嫌気され、決算発表後に株価は-15%近く下落しました。ETSYの様な高成長の銘柄は高い成長率から現時点での企業価値より高い株価で取引されているため、決算で期待を満足しなければ今回のように叩き売られることがよくあります。

 2021年Q2以降では旅行や外での買い物などのオフラインの支出が増加することが予測されるため、オンラインショッピングの伸びは鈍化(または2020年と同水準)する予測がされています。同業のAmazonやShopifyも2021年の業績予想は厳しいため、ETSYのみの個別要因で売上高成長が鈍化するわけではありません。そのため、2021年は2020年での需要の先食いにより業績が低迷するため、株価も大きな値上がりは期待できない可能性が高くなります。

 しかし、オンラインショッピング市場は年々伸びており、今後も成長していくと予測されているため、長期的な見通しは明るいのではないかと思います。

業績

 それでは業績について詳しく見ていきましょう。

 上のグラフは「四半期ごとの業績推移」になります。

 2021年Q1では売上高が$550.6M(前年同期比+142%)、粗利率は74%(前年同期は64%)、営業利益率は27.4%(前年同期は11.1%)という結果となりました。粗利率・営業利益率共に前期同様高い水準をキープしています。前期の2020年Q4から売上高が減少していますが、Q1は季節性によりQ4より売上高が減少する傾向にあるため正常な現象です(Q4はクリスマスなどにより売上高が大きく上昇するため)。

 全体の業績推移を見ると新型コロナによるオンラインショッピング特需の影響で2020年Q2から売上高が大きく増加しています。また、それに伴い、粗利率・営業利益率が大きく上昇(それぞれ+10%程度上昇)しています。Amazonのように在庫を持たずECサイトを提供する形態を執っているため、かなり高い粗利益を叩き出すことができます。

 上のグラフはアメリカ、海外それぞれでの「四半期ごとのGMS(取扱高)推移」になります。

 2021年Q1においてGMS(取扱高)全体では$3.14B(前年同期比+132%)、アメリカでは$1.82B(+110%)、海外では$1.32B(+171%)と大きく成長しました。特に海外でのGMSが目覚ましい成長を遂げており、今後の展開として海外での事業展開をどれだけ伸ばせるかが鍵となってきそうです。

 また、マスクによる特需があった2020年Q2ではマスクのGSMが全体の14.1%も占めていましたが、順調に減少し2021年Q1現在では2.5%まで減少しています。

※購入者数、販売者数それぞれ単位は(千人)

 上のグラフは「四半期ごとの購入者数、販売者数の推移」になります。

 アクティブ購入者数(過去12か月以内の購入者)は2021年Q1まで毎期およそ100万人ずつゆっくり増加していましたが、2020年Q2に入ってからコロナ特需により4四半期で4300万人と急成長しています。しかし、アクティブ購入者の定義上、コロナ蔓延によって単発でマスクを購入した者も含まれているため、今後の推移を見ていく必要があります。おそらく筆者の予想ではアクティブ購入者は2021年Q2,Q3に成長が大きく鈍化または減少すると読んでいます。

 新規・再帰購入者は2020年Q2以降1500万人前後を推移しています。IRに記載され始めた2020年Q1からのデータのみなので詳しい考察はできませんが、これから大きく減少しないかに着目していきたいと思います。

株価

●2021/5/7現在 

 ・株価   165.51$

 ・時価総額 210億$

 ・PER   48倍

 ETSYの株価はコロナ前から大きく上昇し約2.5倍になっています。しかし、決算内容が良くなかった事に加えグロース株全体の下落に見舞われ、2021年3月頭につけた最高値から-34%と大きく下落しています。PER(株価収益率)は48倍とかなり高い水準となっており、2021年の成長見通しが悪い今、株価の大きな上昇は中期的には難しいのではないかと思います。

まとめ

・2021年Q1の決算は売上高、EPS共にOK

 2021年Q2ガイダンスが弱く株価暴落

・2020年に成長の先食いをしたため2021年は低成長

・今後の海外売上の伸びに期待

今後の決算のアクティブ購入者数を注視

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

タイトルとURLをコピーしました